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「Miyabi」の前に立つ朴泰祐・筑波大教授(右)と、千葉滋・東大教授=2025年1月15日午前11時54分、千葉県柏市、鹿野幹男撮影
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 【茨城】東京大学と筑波大学によるスーパーコンピューター「Miyabi」の運用が始まり、東大柏キャンパス(千葉県柏市)で15日、報道陣に公開された。性能は国内の研究用スパコンでは「富岳」に次ぐ2位(世界28位)。幅広い研究への貢献が期待されている。

 「Miyabi」は、2022年3月に運用を終えた第1世代スパコンの後継として導入された。

 米半導体大手エヌビディアの演算加速装置「GPU」を主力にしており、1ワットあたりの計算性能は第1世代に比べ10倍近く向上。高いAI(人工知能)の処理能力も備える。大規模な計算が必要になる素粒子物理学、医療、工学、防災といった分野での活用が見込まれるという。

 14日から運用が始まり、4月から本格的な利用に移行する。運用期間は30年末までで、富士通から機器をリースしている。両大学は、13年にスパコンの調達・運用を共同で実施する「最先端共同HPC基盤施設」を立ち上げ、予算や人員を出し合い、共同研究も実施してきた。

 「Miyabi」調達費用の約72億円は、筑波大と東大が1:2の配分で負担する。スパコン導入には巨額の費用が必要で、共同運用による経済的なメリットもあるという。

 東大柏キャンパスの最寄り駅はつくばエクスプレス(TX)柏の葉キャンパス駅。つくば市の筑波大とはTXで結ばれる。「最先端共同HPC基盤施設」施設長の朴泰祐(ぼくたいすけ)・筑波大教授は「柏キャンパスは東大(本郷キャンパス)と、筑波大の中間地点にある。『人の輪』と『地の利』が実現できる場所」と述べ、TX沿線の両大学の連携の意義を語った。

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